昔から自由気ままに家族に迷惑をかけ続け勘当状態になっていた妹がいた。そんな妹に対し父も「俺の葬式には来させるな」と最後まで家族の絆は崩れきっていた。

父が亡くなった時、悲しみに沈む親族が集う通夜に妹は喪服も着ずにひょうひょうとした顔でやってきた。父はたくさんの土地を所有していたため、すぐに遺産目当てだとわかり、そこから私と妹との骨肉の争いが始まった。父も生前『遺言』を残そうとしていたが、その段取りの最中に息を引き取ってしまったので、父の意思を示すものが残されていない。
当然のように法定相続分を主張する妹。しかし、私としては勘当状態になっている妹には少しでも渡したくない…

私は三人兄弟で妹と弟がいる。父が亡くなったときに不動産を相続したが、紛争なんでウチには無縁だと思い、円満に兄弟で共有名義の相続登記を入れた。つもりだった…。
それから数年後、急に一番下の妹が自分の持ち分を買い取って欲しいと言い出した。
その家には弟が住んでいて年金暮らし。急にそんなことを言われてもお金の準備もできない。どうしよう…。

父にはたくさんの不動産がある。そんな父も最近は物忘れがひどくなり、もしかすると認知症が進行しているかもしれない。もしこのまま父が意思判断能力を失った場合、父の資産を生前に整理することが困難になる。万が一このまま他界した場合、膨大な相続税を払わないといけない…。
今のうちに『家族信託』を用いて、子どもである私たちが資産の組み替えが出来る状態にしておきたい。

親が福岡市内の一等地に土地を持っている。都心部に人口が集中していくで有ろう先々、恐らくこれからも評価が上がると思われる土地だ。
不謹慎だが親が亡くなる頃よりも今贈与を受けた方が、贈与時の評価額が適用される相続税精算課税制度を上手に活用出来るのではないか？